2012年も明けました、本年もポップスバビロンをどうぞご愛顧下さい。
さて昨年11月からコラムの更新が滞っていましたが、今回はポップスバビロン的2011年のベスト・アルバム(他フォーマットを含む)を選んでみたいと思います。(順位不同)
気になるアルバムが見付かったら是非チェックしてみて下さい。

●徳永憲:『ただ可憐なもの』
現代のドノヴァンと称してもいい孤高のシンガー・ソングライターの7作目。
聴く幻想文学集と言うべき歌詞の世界と、音数少ないサウンドが織りなすひんやりとしたロマンティズムはきっと虜になるはず。
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●Lamp:『東京ユウトピア通信』
曲毎にその方程式を解くには幅広い音楽的視野が必要な技法がちりばめられていながら、ポップスとして非常に高い完成度を誇る彼らの5作目。
なにより経年的劣化にも耐えうる音楽の普遍性を聴き逃さないで欲しい。
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●Dave Depper:『The Ram Project』
ポール・マッカートニーの最高傑作(筆者的に)を丸ごとカバーした、ポートランドのアーティスト、デイヴ・デッパーによる宅録トリビュート作である。
Norfolk & Western等インディーバンドに関わる、ほぼ無名のマルチ・ミュージシャンであるが、『Ram』に捧げる愛情とその洞察力は脱帽する。
かなり無理して歌っている「Monkberry Moon Delight」には泣けてくる。

●PIZZICATO ONE:『11のとても悲しい歌』
コラムでも取り上げた渋谷系のパイオニアによる初のソロ・アルバム。
複数のヴォーカリストによる全編洋楽カバー集は、良質なヴォーカル・アルバムとして聴くべきである。誰にも真似できない美的感覚による統一感に酔える。
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●『トッド・ラングレンのスタジオ黄金狂時代』
アーティスト型プロデューサー最高峰の一人であるトッド・ラングレントの初の公式オフィシャル・ブック。本人は元より関わったアーティストによる数々の証言は全音楽ファン必読だ。
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●OLE BORUD:『Keep Movin』
ノルウェーのAOR/ネオ・アシッドジャズ?系シンガー・ソングライター、オーレ・ブールードの3作目。日本では2作目の『SHAKIN’ THE GROUND』(09年)からリリースされ、耳の早い音楽通の間では知られていたが、本作ではよりソフィスティケイトされた楽曲の占めるAOR寄りのサウンドになっている。
特に「Broken People」と「Resting Day」はスティーリー・ダン~ドナルド・フェイゲンのファンは必聴で、他の曲でも鍵盤やホーンのヴォイシングには、デヴィッド・フォスターやクインシー・ジョーンズの匂いがして今後も要チェックのアーティストの一人である。

●マイクロスター:『夕暮れガール』
本コラムでも前後編に渡ってインタビューを掲載したので多くは説明不要だが、良質で普遍的なポップスをクリエイトしている男女二人組ユニットがリリースした7インチ・シングル。
サヴァンナバンド~エルボウ・ボーンズ・アンド・ザ・ラケッティアーズに通じる、多幸感溢れるサウンドに反応しないポップス・ファンは皆無だろう。
希少になってしまった7インチの他、現在は配信でも音源が入手可能なので聴いて欲しい。
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●Mayer Hawthorne:『How Do You Do』
米ミシガン州出身のブルー・アイド・ソウル系シンガー・ソングライター、メイヤー・ホーソーンの2作目。
前作『A Strange Arrangement』(09年)リリース後にメジャー移籍した本作は、更にサウンドが洗練された。前作のタイトル曲をこよなく愛した筆者的には、冒頭の「Get To Know You」と「A Long Time」だけでノックアウトされた。また前出のオーレ・ブールードと比較すると、そのソングラィングやアレンジには60年代の伝統的なソウル系クリエイターの影響を強く感じさせ、アリフ・マーディンが手掛けていた頃のホール&オーツも彷彿させる。ルックスもエルヴィス・コステロ的で面白い存在なので今後も要チェックのアーティストである。

●『PEACEBIRD』
スウェーデン出身のシンガー・ソングライター、ヨハン・クリスター・シュッツによるソロ・ユニットのファースト・アルバムが本作。現在は活動のベースを日本に移しており、バッキングにも国籍を超えたミュージシャンが参加している。何と言っても彼の魅力はそのビターでスイートな声質だろう。
「Pickin’ Up The Pieces」はプリファブ・スプラウトの「Andromeda Heights」を彷彿させて、プリファブ・ファンにはたまらないので必聴だ。
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●ツチヤニボンド:『2』
土屋貴雅による音楽プロジェクトであるツチヤニボンドの2作目。
手法的に最新型ではないが、唯一無二のサウンドには異様に惹き付けられる。ローファイなオケで歌われる「メタルポジション」がニューソウル風だったり、「通りすがり」がシールズ&クロフツの「想い出のサマーブリーズ」していたりとソングライティング的にも面白い。
特に黄昏のダブロック名曲である「夜になるまでまって」は激動の2011年を象徴する一曲として強く推したい。
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