おくやま   一番はじめにあのお店をオープンした日のことを
覚えてるんですよ。
僕は年齢が若くて、僕がつくったお店なんかに
お客さんが来てくれるんだろうか?って
不安に思ってたんです。
で、一組来てくれたときに、
あ、来てくれた!なんだか僕の趣味に
付き合わせたような気持ちになったりして(笑)
     
ふむふむ   (笑)
     
おくやま   スタッフもみんな年上だったこととかも含めて
その日の思い出は次第に薄れていくのかと思ったら
全然そんなことはなかったんです。
その日のことは今となっては
もう僕しかわからない部分ですよね?
     
ふむふむ   そうですよね。
     
おくやま   そしてだんだんお店をやっていくなかで
人に任せたり、人にやってもらうっていうのは
こういうことなんだ、っていうのがわかっていったんです。
僕の強い思い入れをどこまで出していいのかとかですね。
     
ふむふむ   それはどういうことですか?
     
   
     
おくやま   店がひとり歩きをはじめると
僕の思い入れとのズレも出てくるんです。
それはやっぱり出てくるんですよ。
新しいスタッフが入って、
空気が変わっていったりするものなんです。
それが僕の望まなかった方向にいく時もあったし、
期待以上によくなっていくこともあったんです。
その事を含めてお店をやってることなんだって
わかったんです。
     
ふむふむ   なるほどね。
     
おくやま   これは火事の時もそうだったんですけど
僕の思いで動きたい部分と
僕の気持ちではカバーしきれない部分と
両方あるんですよ。
だから僕が出るよりも店長の内部くんが
それをしてくれてたらそれでいいじゃないか、って
思えるようになったんです。
僕がしなきゃいけないことは
僕しかわからないところをしっかりやることなんですね。
     
ふむふむ   それもさっきの“個人の思想を上回った瞬間”
の一部ですね。
     
おくやま   そうですね。
だから僕の思いを引き継いで内部店長のコンテンツを
お客さんが「いいお店ですね」って
ファンになってくれたらそれでいいんです。

お店って今回みたいな火事が原因じゃなくっても
やめなければいけないことってあるんですよ。
それが突然ではなかったとしても。

もちろんお客さんがいなくてもダメだし、
スタッフがいなくてもダメだし、
どれだけかっこいいことしてるとか、
おしゃれなことをしてるとか、有名であるとか
そういうことで商売がともなうかっていったら
そんな甘いもんでもないんですよ。

     
   
     
ふむふむ   なるほど。
     
おくやま   今の僕のお店に対する考え方も
はじめから備わっていたものじゃなくって
すごく大変な時期もあったし
その中ですこしづつ培ってきたものなんです。
だからその中で
“何かあったらどう動けるのか”っていうことも
常々考えてたんです。
さすがに火事は想定していなかったですけどね(笑)
     
ふむふむ   奥山さんにしかわからない
そういう経験から学んだことと、それ以外の部分が
両方あってコンテンツレーベルカフェがあったんですね。
     
     
    第4回につづく
【これまでのインタビュー】
2006年12月19日 第1回 よかったんだと思ってます
2006年12月20日 第2回 またお店をやりたい
2006年12月21日 第3回 僕にしかわからないこと