聞き手:ふむふむの森 
むふむふ   HARCOをはじめる時に、
バンドではできなかったことを実現したい、
という思いはあったと思うのですけど、
具体的にテーマみたいなものはあったんですか?
     
HARCO   ありましたよ。
1つは“フリースタイル”。
1人だからバンドみたいにメンバーも決まってないし、
こういう風につくらなくちゃいけない、とかは
決めずにやろうと思ったんですよ。
     
むふむふ   好きにできますもんね。
     
HARCO   ポップソングなんだけど、
ヒップホップっぽくしたり、
テクノやジャズっぽくしたり、
もうなんでもありなのがいいなと思って。
     
むふむふ   そうやって自分のやりたかったことを形にして、
しかもトントン拍子で進んでいけた、
っていうのはすごいですね。
     
HARCO   いやー、ほんとに恵まれてました。
あと、もう1つHARCOで実現しようとしてたことが
あるんですけど、
     
むふむふ   はいはい。
     
HARCO   最初は夏の曲が多かったんですよ、
「プール」とか「江ノ島ラプソディ」とかね。
     
むふむふ   そうですね。
     
HARCO   でもそれはTUBEの夏みたいに爽やかな夏、
ではなくって、僕はもっと、こう、
“少年の夏”みたいなのをやりたかったんです。
     
むふむふ   へえー、夏休みみたいな?
     
HARCO   これはちょっと変かもしれないですけど、
はじめてエロスに目覚めてしまった少年の夏、
みたいな(笑)
     
むふむふ   おもしろいとこへいきますね(笑)
     
HARCO   そういうテーマがあって、だから最初の頃は
ふしだらな歌詞が多いんですよねえ。
     
むふむふ   ほー!
     
HARCO   そういう毒のある歌が好きだったんですよ。
     
むふむふ   ひねりを入れたかったんですかね?
     
HARCO   うん、そうですね。
その頃はサブカルチャーがやりたくって、
サブカルチャーこそがほんとのカルチャー
なんじゃないかと考えてみたりとか。
だから変わったことがやりたかったですね。
     
むふむふ   なるほどね。
鍵盤はその頃にメインになったんですか?
     
HARCO   ピアノの音色はずっと嫌いだったんです。
でも、ムーグってあるじゃないですか。
     
むふむふ   はいはい、アナログシンセですよね。
     
HARCO   あれを見たときに、
あ、この鍵盤だったらオリジナリティもあるし、
見た目もおしゃれだし、好きかもしれないと思って、
貯金をはたいて買ったんです。
     
むふむふ   へえ!
     
HARCO   モンドな音が出るんですよ。
あの頃スペースバチェラーミュージックとかって
ありましたよね?
     
むふむふ   ありましたね、モンドミュージックですよね。
     
HARCO   ああいうことがその頃やりたかったんですね。
時代的にもそういう人が多くって。
     
むふむふ   そういう時代でしたね。
     
HARCO   そんな流れで「江ノ島ラプソディ」を
つくったんです。
有機的なピアノとか木琴とか
アコギとかの音も入ってるんだけど、
ムーグの電子音もいっぱい入っていて。
結果的に当時の音響系のハイラマズとか
ステレオラブとかとリンクした音になったんです。
     
むふむふ   時代と自分の方向性が一致したんですね。
     
HARCO   そうかもしれないですね。
だけど、音響系ももちろん好きなんだけど、
メロディはループして終わるようなのじゃなくて、
ふつうに歌だけで聴いても、おもしろくて、
聴きごたえのある歌が書きたかったんです。
     
むふむふ   それははじめっから狙ってつくってたんですか?
     
HARCO   いや、はじめたときはそうじゃなくって、
さっき言ったようにエロいことばっかり
考えてたんですよ(笑)
     
むふむふ   あはは(笑)
     
    第11回「曲づくりは明るいうちに」につづく
     
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