ふむふむ この曲もホームタウンに続いて、
“距離感”がテーマになっているような?
   
HARCO あ、そうですね。
近いですね。
ホームタウンで故郷に帰って、地平線で旅立つ。
って、順番としては逆なんですけど(笑)
   
ふむふむ あ、そっか(笑)
   
HARCO 『ホームタウン』も、この『地平線の向こう』も
気持ちとしては同じ感覚ですね。
僕は東京近郊に暮らしているけれど、
日本の人口の中では東京以外に住んでいる人のほうが
多いわけだし、
その人たちの気持ちになって歌いたいなあ、って
思ったんです。
ここ何年かは特にそうで、
どこか遠くに暮らしてる、っていうイメージなんです。
   
ふむふむ 具体的に他の場所に住んでるイメージをするんですか?
   
HARCO そうですね。
   
ふむふむ そういう時はやっぱり、普段とは違う感覚になれる?
   
HARCO 想像するんです、その街での生活を。
東京近郊に住んでると情報が溢れてるじゃないですか?
   
ふむふむ ええ。
   
HARCO でも、そういう状況じゃなくて、
それなりの自分に必要な情報だけを
享受した生活を想像するんです。
あとは最近は景気も悪かったから、
あんまり何でもかんでも
好きなものを買える時代じゃなくって、
ほんとに好きなものだけをよく確かめて、
吟味して、受け取って、みたいな。
そういうコツコツと暮らしているっていうか。
派手な暮らしをしていない感じですね。
   
 
   
ふむふむ なるほどなあ。
   
HARCO 80年代のバブルの頃の“ふつう”と
今の“ふつう”じゃ、たぶん感覚が違うんです。
   
ふむふむ “ふつう”が違うわけだ。
   
HARCO 今の生活観で歌いたいな、って思うから、
自然と歌の内容も“南の島のリゾートに行って”とか、
そういうふうには絶対ならないんです(笑)
   
ふむふむ そっかあ(笑)
   
HARCO 『地平線の向こう』は遠くの町に転勤に行く、とか
上京するとか、
そういうシチュエーションを歌いながら。
   
ふむふむ 歌詞の表現でおもしろいのは、
“もうひとつの太陽の下”という表現が出てきますよね?
   
HARCO そうですね、例えば
「僕と君は遠く離れてるけど、見上げてる夜空は同じだ」
っていう表現はよくあるじゃないですか。
   
ふむふむ はいはい、ありますよね。
   
HARCO でもこの歌は逆なんです。
君の見てる太陽と僕の見てる太陽は“違う”んです。
   
ふむふむ そうですよね、
なんだかひとりひとりの上に太陽がある感じですよね。
   
HARCO そうそう。
人の数だけ太陽がある、っていうイメージで、
それらの太陽はそれぞれ意味が違うと思うんです。
   
ふむふむ ほう。
   
HARCO 今は東京で必死になってがんばってみよう、
っていう人の太陽と、
のんびりとした生活に立ち返って、
マイペースに暮らしている人の太陽と、
それは違うっていうか。
   
ふむふむ そういう感覚ってなんだかわかる気がするなあ。
     
    song.3 『響き合うぼくらの呼び声』へつづく
     
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