ふむふむ   甲斐さんはかなりマニアックに調べるんですね。
     
か い   私の中で、
「乙女はオタクだ」
という持論があるんですよ(笑)
     
ふむふむ   それはまた大胆なコピーですね(笑)
     
か い   私の友達で「乙女だな」と思う人は、同時に、
あることに関して非常に
オタクな部分を持っているんです。
     
ふむふむ   すごくいろんなこと知ってたりするんですか?
     
か い   そうなんですよ。
オタクとも、文科系女子とも
言うのかもしれないですね。
そんな、乙女でありオタクである方たちに向けて
本を書くときには、
いつも相当のプレッシャーを感じます。
     
ふむふむ   そうですよね。
     
か い   知らないことがあっては
いけないような気がして、
それで本のテーマに関して
我流ですが勉強します。
     
ふむふむ   あー、つらいですね(笑)
     
か い   と、いうのも何度かカルチャースクールで
講座をしたことがあったり、
先日の『乙女の東京』のトークショーのときも
そうだったんですけど、
みなさん熱心にメモを取られているんです。
おそらく、話に出てきた本のタイトルや、
お店の名前だと思うのですが。
きっと、自分と同じように、どんなことでも
知ることを楽しむのが
乙女的精神なのだろうと思います。
     
ふむふむ   すごいですね。
     
か い   それから、
イベントのとき記入いただいた
アンケートを見ると、
好きな人の欄に「みうらじゅんさん」と
書かれている方が
とても多いんです。
     
ふむふむ   わー(笑)
マニアックな世界ですねえ。
     
か い   あるとき、イベントに
きてくださっていた方とお話したとき、
「ものに確信を持てないんです」と
おっしゃっている方がいて、
はっとしたこともあります。
     
ふむふむ   お、それはどういう意味でですか?
     
か い   お客さまが、
「正直これはかわいいのか、
 かわいくないのか、
 微妙だと思っていたのが、雑誌や本で
 紹介されてることによって、
 やっぱりこれはかわいいんだ!って、
 確信を持てるんです」
とおっしゃっていて。
だから「紹介されていてうれしくなります」って。
     
ふむふむ   あー、その気持ちはよくわかりますよ。
     
か い   そう言われて、わたしも
「ああ、私もそうだったな」
って、『オリーブ』や音楽雑誌を
読みあさっていた頃を思い出しました。
     
ふむふむ   共感して、安心できるんですよね。
でも甲斐さんは提供する側じゃないですか。
     
か い   今はそうですね。
     
     
ふむふむ   そうなってくると、
確固たる自信がないと、
なかなかできないですよね?
甲斐さん自信は迷いがあったりしないんですか?
     
か い   うーん・・・
いや、迷いはないですね(笑)
     
ふむふむ   そうなんだ(笑)
     
か い   絶対にこれはかわいいと思わなければ、
迷っていたら本はつくれません。
今ちょうど全国のお土産の本を
つくってるんですけど、なかなかこれが、
かわいいと気がつかれていないんじゃないかなと
思うものも多くあります。
でも、それを、声を大にして
かわいい、って言い切ってしまうことに
意味を感じます。
     
ふむふむ   いいですねえ。
     
か い   ワンカップを紹介したり。
     
ふむふむ   ワンカップってお酒の?
     
か い   そうですね。
かわいいのがたくさん出てるんですよ。
いちご模様のワンカップがあったり、
薔薇模様のものがあったり、
猫の模様があったり。
     
ふむふむ   へえ!
甲斐さん、それ全部買うわけですか?
     
か い   買いますね。
人にあげることが楽しいんですよ。
日本酒はたしなむけれど、
さすがにワンカップ、飲まないので(笑)
     
ふむふむ   あら、飲まないんだ(笑)
でもそれらは乙女のワンカップなんですね?
     
か い   そうですね。
「これがすてきだ」と思ったら、
あまり世間の価値感を考えずに、
誰になんと言われようが集めて愛でるのが
乙女だと、よく言ってるんです。
     
ふむふむ   おもしろいなあ。
     
か い   自分が「これ!」って思った
美意識に沿って生きることこそ、
乙女道なのではないでしょうか。
     
ふむふむ   すごい!
     
第九回 「ポジティブシンキング」につづく
     
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