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| ふむふむ |
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甲斐さんはBid(ビド)という、
かわいいキャラクターを
プロデュースもしてるんですよね。
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| か い |
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そうなんですよ。
元々はロルのキャラクターだったんですけど、
バンダイにガールズトイ部という部署があって、
そこからお話をいただいて、
バンダイといっしょにビドを
育てていくことになったんです。
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| ふむふむ |
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あ、元々ロルのキャラクターなんですね?
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| か い |
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そうなんです。
ちょっと話が長くなってしまうんですけど、
ロルをはじめるときに、
憧れていたブランドが2つあって、
ひとつは竹久夢二がやっていた
"港屋"というお店で、
自分の彼女の自立のためにお店を持たせて、
夢二がデザインした便箋や封筒、うちわなんかを
売っていたんです。
それもただ物として売るのではなくて、
夢二は短歌や詩も書くので、
言葉を添えて売っていたんですね。
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| ふむふむ |
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そういうのはいいですね。
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| か い |
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それが当時の女学生に大人気で、
私の祖母も大好きだったんですよ。
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| ふむふむ |
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へえ!
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| か い |
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私が中学生の頃に、
祖母は足が悪くて、
ひとりで出歩くことができませんでした。
静岡県内の美術館で夢二展がやっていると
新聞に載ってたんですね。
私に「連れて行ってもらえない?」
って言うんです。
それで手をひいて、祖母の住まいから少し離れた
美術館まで連れて行ったんです。
そのとき祖母が女学生の頃の顔に戻って、
「すてきだ、すてきだ」って言ってていたのが、
今でも忘れられません。
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| ふむふむ |
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いい話だなあ。
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| か い |
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昔はね、夢二の美人画を観ることは
怒られたらしいんですよ。
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| ふむふむ |
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え、どうしてですか?
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| か い |
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「中学生くらいの小娘が
色気あるものに興味を
持つなんてもってのほか」
だって叱られたそうです。
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| ふむふむ |
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ああ。
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| か い |
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だから夢二の美人画の切り抜きを
引き出しの中にしまっていて、
「そっとそれを出して観てたんだよ」って
祖母に教えてもらって。
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| ふむふむ |
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いいですね。
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| か い |
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その頃から夢二という存在を
意識しはじめるようになったんです。
こんなに女性に憧れを与えた人なんだ、って。
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| ふむふむ |
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竹久夢二かあ。
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| か い |
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あと、もうひとつロルが影響を受けたのが、
サンリオなんです。
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| ふむふむ |
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あー!
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| か い |
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サンリオは昔、詩集を出してたんですよ。
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| ふむふむ |
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えー、わりと文学よりだったんですね。
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| か い |
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これはサンリオの前身の
「山梨シルクセンター」時代のものなんですけど、
これは本というよりは、
女の子同士の贈り物として
大切にされていたようですね。
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| ふむふむ |
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わ、こんなのをつくってたんですね。
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| か い |
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私も自分が生まれる前に
サンリオがこんなすてきな本をつくっていたと、
大人になってから意識しはじめるようになったのですが。
小さい頃はふつうにサンリオのキャラクターを
女の子はみんな大好きですよね?
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| ふむふむ |
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そうですよね。
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| か い |
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卒業文集にはアイドルと同列で
好きなキャラクターを書いたりして。
自分がどのキャラクターを好きか、ということで、
自分を表現できた、っていうか。
そういうのって、こどものころは大事じゃないですか?
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| ふむふむ |
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わかりますねえ。
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| か い |
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夢二の港屋、サンリオ、
その2つに影響を受けていたんで、
ロルでも、物語のあるものづくりや、
キャラクターを手がけたいということと、
こどもからおばあちゃんまで買える物が
つくりたい、って思ってたんです。
それまでつくったことのある便箋や封筒、
手ぬぐいはおばあちゃんでも買えるので、
こどもが買えるものとして
キャラクターをやりたかったんです。
それでビドをはじめるようになったんですよ。
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第十二回 「Bid(ビド)は落描きでした」につづく
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