
- 1つの字を迷いながら書き続けて最終的には作品として何点か選んでいく訳ですよね。 選んだ字は、他の物と決定的に違う何かがあるのでしょうか?
例えばこの時は「花」という字ばかりの展示だったんですが

自分があまり出ていない物を選ぼうと思っていました。こうしたいという意思が見えるもの、デザイン的にバランスがいいと思えるような物、ここに配置すればこうなるという計算が少しでも見 える物を片っ端から外していって、何でこれを書いたのかしら・・ ・?と感じるものをあえて選んでいきました。こうしようと言う気 持ちが見えるものが、私はうるさく思えてしまうんです。そんなに 饒舌にしゃべらなくてもいいのに・・・って。選んだものは、書いたというより書けてしまったと言う感覚なんですね。どうやって書いたかさえもう思い出せないし、もう一回書きなさいと言われても書けない、でもどこか魅かれるような。そんな風に自分の手から離れてしまったような感覚を覚えるものを選んで展示会場に並べていくと、凄く静かな場所が出来上がる気がしています。
- 選ぶ時はすぐに決まりますか?例えば一度捨てたものを戻したり、迷うことはありますか?
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決まらないですね。この時も最初50枚くらいあった物を30枚に減ら して会場に持ち込んで、それから10枚に減らした後、全然進みませんでした。一瞬見て違うと思ったけれど残しておくことも正直あります。でもやっぱり、一度外した物はやっぱり外した物なんだなと、 最近は思います。直感はあまり信じたくないんですけど、字を選ぶ時に関してだけは、最初に一瞬見た時の感覚が最後まで残ってくるものだなと思います。一度外して残しても、やっぱり最後には外してしまいますね。
あともう1つ”わからない”と言うのがあるんですね。その 時は判断がつかないものがあって、それはずっと壁にぶら下げておいて暫くすると、あ、やっぱり違うって思ったり。判断がつかないまま ずっと残ってるものもあります。ずっとあって、でもそれが一番面白かったりするんです。
- 迷いぬいて選んだものは、後になっても良いものが選べていると思えていますか?
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そうでもないです・・・ただ字の場合は、字を見てその時の自分の状況を思い出せるので、あの時はこれを選ぶ自分だったんだろうなと納得できます。今だったら違うけど、あの時ならやっぱりこれを選ぶのが自然だったんだろうなと言うように。
第六回に続く
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