
- 1つの作品を作るまでに、長い時間をかけて色んな事を感じて、それを作品へ封じ込める と言うよりセーブすると言う感じなのでしょうか?
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書ききれないと思っているんです。例えば、鳥だったら「鳥」という字が元々持っている意味とか世界は、私がその字に対して感じて思っている事よりも、ずっと大きいと思うんです。ですので、その字を書ききったと言う事は1人の人に出来ないのではないかと思っているんです。作品を書くに当たっては、私が色々感じた事の、その全部に共通している物は何だろうと・・・書いていく中で考えたいと思っています。字は私の物じゃないので、その字に触れに行く と言う感覚ですね、その字を書く事で全部消化してしまうと言うのは違う気がします。
- 作品になった字が華雪さんの向き合ってきた事を全部通っている訳ではないと言う事ですか?
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例えば半年から1年間、その字とどう向き合ってきたかがその字の形になっていると思います。ただその1年後に書いたらまた変わってくると思うので、書ききれないと思っています。
- そんな風にして出て来た凄くパーソナルな作品を個展等でお客さんに見られて、心の中を のぞかれているような、何か照れくさい感覚等はありますか?
それも若干あるのですが、書き終えて展示になる頃には、自分と作 品の間に少し距離が出来ていて、さっき話していた自分の手から離 れていってしまうと言ったような感覚なんです。「これは私の書い た字です」と言う気分ではないですね・・・そこが上手く言えない ところなのですが。
- これまでに自分に影響を与えてきた物はありますか?
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良いのか悪いのか解らないですけど、その時にあった事を、字を書く事で考えてきました。ある経験をして、これをどう消化したら良 いんだろうと思うと、字を書く事によって自分なりに噛み砕いて来たんだと思います。記念写真の様な自分の写真を撮る事があまりないのですが、自分の過ごしてきた時間は書いてきた事によって、足跡として残っているので、自分でも納得の行く過ごし方だったなと 思います。
第十回に続く
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