むふむふ
取材する人とかモノっていうのは
どういう感じで探したり
選んだりしているんですか?
いそがい
(取材するためにネタを)
探すことはないです。
むしろいつもアンテナは
寝かせているくらいで。
それでも反応せずにはいられない、
っていうくらいの
モノに出逢ったら、
自然に心に残りますよね。
それをふっと思い出したときが
取材の申込みどきです。
ふむふむ
MY CHARMを見ていると
僕たちの知らない世界や人が
たくさん登場していて、
すごいなあって思うんですが、
そうなると身の回りにモノが
増えてきたりしませんか?
いそがい
んー、意外に増えないですね。
むふむふ
意識して自分が管理できる分量に
しているんですか?
いそがい
年齢とともにそういう意識に
なってきた部分はあるかもしれないです。
でも、モノを増やしたくない、
とは思っていないですね。
だって、まず、収集家だし。
むふむふ
そうか、フェーヴがたくさんありますもんね。
いそがい
あと、2枚持っているCDとかもあるし。
これは他の人に考えを
押し付けるつもりはないんですけど、
私は何かしらの作品を「いい」と思ったら、
自分のお金をつかって味わうのが
礼儀だと思っているんです。
むふむふ
それはモノを作る人と、
それを受け取る人との
健全な関係ですよね。
いそがい
例えば、本やCDの見本をもらったとしますよね。
本当にいいと思ったら、必ず自分でも買うんです。
その時買えなくても、後日何とかして。
多少無理してがんばってでも、対価を払ってこそ
本当にいいと思ってるって言えるんじゃないかって。
そこまでではないものは見本盤のままですけど(笑)
ふむふむ
そうやって本当に「いい」と思えるものを
みつけるのって実はなかなかできなかったりして、
みんな自分の趣味なんかが確立する前は
雑誌やテレビなんかを見ていろんな
スタイルを探したりすると思うんです。
いそがい
そうかもしれませんね。
ふむふむ
でも、それが確立されて
自分好みの情報以外のものを探さなくなると
偶然の出会いというか意外性のあるものとの出会いが
なくなってしまうんじゃないかなって。
それはちょっともったいないなあって
思ったりするんです。
いそがい
よくわかります、その話。
ちょっと近めのことを考えていたことがあって。
むふむふ
お、そうなんですか。
いそがい
年を重ねると、
なぜフラットでいるのが難しくなるのか、
というようなことを考えていたんです。
身近な年配の人を見て、なんですけど。
むふむふ
ほう。
いそがい
それで、自分のスタイルにはまったもの以外を
無意識でも意識的にでも
長年シャットアウトし続けていると、
「偶然が生み出すサプライズ」が
起こりにくくなるから、
どこか心が固くなってしまって
結果、フラットじゃなくなるんじゃないかなと
思ったんです。
むふむふ
ああ、わかりますわかります。
いそがい
もちろん何でも受け入れたい、
ということではなくて。
年齢とともにそぎ落とされて、
何が好きで何がきらいかちゃんと把握して
シンプルになっていくのはいいことだと思うので。
むふむふ
自分の好みがはっきりしていきますね。
いそがい
ええ。だからこそこれから年を重ねても
未知のものに対して先入観なく接したり
過去につくりだしたものを壊していく
姿勢は持っていたいなって。
難しいかもしれないですけど。
ふむふむ
そこはフラットでいたいという
気持ちがあるんですね。
いそがい
いつまでも、どうしようもなく
ドキドキしたりしていたいんです、きっと。
むふむふ
あ、そうか、MY CHARMに詰まっているのは、
きっとそういうドキドキ感とかときめきなんですね。
いそがい
そうですね。だからいつか、
ひとつの時代の中でそういうときめきを集めて紡いだ
MY CHARMという物語を懐かしく思い出せたら
幸福だなって思います。
むふむふ
もしかしたら今回お話いただいたような
ゲームや妖精や少女小説のことは
話さないでおいて、MY CHARMの世界の通り
すごくおしゃれでかわいい話だけで
インタビューを終えることも
できたかも知れないけれど…
いそがい
え、でもMY CHARMは意外と
泥臭いので…
書いてあることは「鮎を食べに行く」
とかそんな話だし(笑)
ふむふむ
そういえば鮎の話ありましたね(笑)
(※第9号に美味しい鮎を食べに行く
磯谷さんのお話が収録されています。)
でもそういう面を排除せずに、
磯谷さんが今まで通ってきた
道筋が見えるお話だったのがとてもよかったです。
いそがい
喋りすぎてしまいました(笑)
でも「なかったこと」にするのって苦手だから
うれしかったこともかなしかったことも
恥ずかしいことも痛いことも
全部受け入れて、未来へ行きたいんです。
むふむふ
そういうところがMY CHARMの魅力だと思います。
今日はありがとうございました!
いそがい
ありがとうございました。
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