むふむふ   そのおじさんは建築家なんですよね?
     
とよくら   そうなんですよ。同窓会みたいな感じで
小学校のクラスメイトが年に1回その家に集まるんですよ。
僕の友達のお父さんなんです。
     
   
     
とよくら   どうして集まってるかって言うと
僕が大学1年の時にその同級生が白血病で
亡くなっちゃったんですよ。
     
むふむふ   そうだったんですか・・・。
     
とよくら   彼が病気になったときにも、
元クラスメイトで団結してよく集まってお見舞いに
行ってたんです。

それで亡くなってからも毎年集まって、ワイワイと
写真を囲みながら話したりするんですね。

     
むふむふ   そうだったんですね。
     
とよくら   その時におじさんに「最近はどうしてるの?」って聞かれて、
「弁護士になるために司法試験の勉強をしてるんだけど
絵も好きなんです」って言ってたら、
「じゃあ、やってみたら」って(笑)
     
むふむふ   すごいですね、それ(笑)
それでコロッと考えが変わったんですか?
     
とよくら   しばらく考えて、1週間後には勉強をやめましたね。
     
むふむふ   へえー。
     
とよくら   別に全然勉強に行き詰ってたわけでもないんですよ。
逆にこれからどんどん勉強するぞ、っていうくらい
テンションも上がってた時だったんですけど。

でも、勉強してる間、ずっと
「絵もやりたい」っていう気持ちを押さえつけて
やってたんだろうな、って思うんです。

     
むふむふ   なるほどね。
     
とよくら   今、考えると「逃げ」だったのかもしれないですけどね。
     
むふむふ   そのきっかけがおじさんのひと言だったんですね。
     
とよくら   そう、「やってみたら」っていうひと言で(笑)
その亡くなった僕の同級生、おじさんの息子さんが
東京芸大を目指してたこともあって、
そんな話になったような気がしますね。
     
むふむふ   その亡くなったお友達の影響はトヨクラさんにとって、
大きいんですね。
     
とよくら   だいぶ大きいですね。
だから僕が彼の意思を受け継いで、
すごく押してもらってる気がするんですよ。
     
むふむふ   めちゃくちゃいい話です・・・。
     
とよくら   ドラマになりそうでしょ(笑)
     
むふむふ   ホントですよー、泣けます。
そんなことがあったんですね。
     
とよくら   そうなんです。
     
   
     
むふむふ   で、絵の世界を目指すことになるわけですね。
     
とよくら   はい、親にも言って、ばあちゃんにも言ったんですけど、
ばあちゃんはもう大反対で。
     
むふむふ   やっぱり自分が実際に体験して、大変だから、
というのを知ってるからなんですかね?
     
とよくら   うん、そうかもしれないですね。
でも、反対されても気持ちがブレなかったんです。
もう覚悟決めて、後戻りできないと思って決めましたね。
     
むふむふ   すごく覚悟がいりますよね。
     
とよくら   やっぱり弁護士になるために、
応援もしてもらってましたしね。
     
とよくら   でも母親には「やっぱり!」って言われたんですよ。
     
むふむふ   そうなんですか(笑)
     
とよくら   僕の家は母子家庭なんですね。
父親は3歳くらいの頃から離婚していないんですけど、
その父親が絵が好きだったらしくて、
今は美術の先生らしいんです。
     
むふむふ   へえー。
     
とよくら   そういう遺伝があって、母親は「やっぱり!」って、
言ったみたいですね。
     
むふむふ   「お父さんの血が」みたいな(笑)
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