むふむふ   フェルトを使う作品の感じは
専門学校時代に生まれたアイデアなのですか?
     
とよくら   それは専門学校の最後のほうですね。
それまではいろいろな手法でつくってました。
えっと、これは1年生の頃のポートフォリオなんですけど。
     
     
     
むふむふ   あ、全然今と違いますね。
     
とよくら   まだ学校に入りたてだったので、
すっごいヘタクソなんですよ。
その頃は毎日1枚でもいいから描けと言われていたので
すごくたくさん描いてましたね。
     
むふむふ   (ポートフォリオをめくりながら)
それにしてもほんとにたくさんあるなあ。
この頃は学校で描くことが多かったのですか?
     
とよくら   学校でも家でも描いてましたけど、メインは学校でしたね。
放課後に使える場所があったので。
     
むふむふ   うわ、これはなんですか?立体になってる?
     
   
     
とよくら   あ、これは半立体ですね。
牛の部分だけ立体で出っぱってるんです。
     
   
     
むふむふ   おもしろいですねえ。
     
とよくら   その頃は自分のスタイルがなかなか決まらなかったので、
半年間、同じものをずっと描こう、って決めて、
牛ばっかり描いてたんですよ。
もう「牛兄(ウシニイ)」って呼ばれるくらい(笑)
     
むふむふ   (笑)
あ、この牛はまた大きいですねえ。
     
   
     
とよくら   これはすべて鉛筆で。
     
むふむふ   えー、鉛筆!?
     
とよくら   そう、6Bの鉛筆を100本くらいで。
1週間くらい黒い部分を塗り続けるんですよ(笑)
どこまで鉛筆で黒が出るか、っていう感じです。
     
むふむふ   へえー。
     
とよくら   くる日もくる日もひたすら塗るだけ。
この作業がアート、っていう感じで、
「よくやったな」って言われる、ただそれだけ(笑)
     
むふむふ   力技ですねえ(笑)
     
とよくら   こういうのは思いついた時点で、もう完成なんですよ。
     
むふむふ   あー、なるほどねー。
いいなあ、思いついた時点で完成、って。
作品を形にするときは悩まないのですか?
     
とよくら   基本的に悩まないですね。
完成してから反省するようにしてますね。
途中で「違うな」と思っても絶対にやめないです。
     
むふむふ   それははじめからイメージができあがってるから、って
いうことなのですか?
     
とよくら   そうですね。イメージをどれだけ早く
形にできるかっていうのが勝負なんです。
     
むふむふ   自分との戦いなんですねえ。
第5回を読む 目 次 第7回を読む