ふむふむ   小さい頃は
どんなお子さんだったのですか?
なにかオセロにつながるような
エピソードなんか、
あったりするんでしょうか?
     
ためのり   そうですねえ、
うーん、特徴はあんまり
なかったかもしれないですねえ。
     
ふむふむ   あ、そうなんですか。
オセロ以外のゲームが
好きだったりとかは?
     
ためのり   オセロをはじめて、
「このゲームは自分に向いてる」って
思ったんですよ。
才能っていうのも大事だと
思うんですけど、
努力もする、っていうのが
大事なんだと思うんです。
私の場合は高校生の時に
オセロに時間を費やして、
練習したのが成果に
つながったんじゃないかな、って
思いますね。
     
ふむふむ   なるほどなあ。
ちなみに為則さんの素質的な部分って、
ご自分ではどう分析されてるんですか?
     
ためのり   何度も世界チャンピオンになったんですけど、
勝つための"コツ"ってあるんですよ。
     
ふむふむ   お、そうなんですね。
     
ためのり   若い人たちは自分が研究している
"型"にはまったら強いんですけど、
自分がしらない"型"になったときに
あっけなく負けてしまったりする人が
多いんです。
     
ふむふむ   へえ。
     
ためのり   私は若い人たちみたいに
練習する時間がないので、
自分の"型"ってあまりないんです。
だから相手の得意な"型"で
戦うことが多いんですけど、
やっぱり不利になる局面っていうのが
多いんです。
     
ふむふむ   あら、そうなんですか?
     
ためのり   そう。
で、不利になってから逆転するためには、
相手のミスを誘わないといけないんです。
     
ふむふむ   高度な駆け引きだなあ。
     
ためのり   そういうミスを誘う打ち方
っていうのがあるんですよ。
     
ふむふむ   へえ!そうなんだ。
     
ためのり   そのあたりは私が長い間、
第一線で対戦しながら
覚えていった部分ですね。
     
ふむふむ   ということは経験こそが
才能ということなんですね。
ちなみにミスを誘う打ち方っていうのは、
どんな打ち方なんですか?
     
ためのり   非常に簡単なことなんです。
相手が迷いやすいように
局面を複雑にしていくんです。
     
ふむふむ   自分もわからなくなっちゃったり
しないんですか?
     
ためのり   自分はそういう局面に強い、
っていう自信があるので、
あえてそういうふうに
持っていくんですよ。
     
ふむふむ   さっきソフトで最善手が
表示されてましたよね?
     
ためのり   はいはい。
     
ふむふむ   その最善手に打たない、
ってことなんですよね?
     
ためのり   そうですね。
     
ふむふむ   ということは一旦
自分にとって不利な状況にしてでも、
相手を混乱させるんですか?
     
ためのり   そうそう。
でも逆に有利な状況にあるときは、
複雑にせず、
わかりやすく打っていくほうが
勝率はいいんですよ。
     
ふむふむ   いやー、僕たちにはレベルが
高すぎる話だなあ。
     
第5回 「鬼神と呼ばれる所以」につづく
     
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